1980年7月18日放映
西條昭(ドック)神田正輝。父は医師、本人も後を継ぐべく医大に入るが中退。自らドックと名乗るが同僚はヤブと称する。仕事熱心でガムシャラな刑事が多い中で、格闘技も走るのもダメ。その代わり車を走らせる、オートマチック拳銃を使う合理的な面がある。何事にもマイペースを通し、陽気で暇さえあればダジャレを飛ばして皆を閉口させる。ベテランになるにつれて、後輩刑事の良き兄貴分として、リーダーシップを発揮していく。
矢追二丁目派出所で吉野巡査は挙動不審な男、西條昭を尋問しようとして近づいて行ったところ、そこへ拳銃を持った血まみれの男が倒れて来た。早速、ロッキーとスニーカーが現場に急行すると西條昭は動じる風もなく男の死体を調べていた。西條はこの日から本庁から七曲署へ転勤を命じられた刑事で大学で医学を専攻していたこともあり自称ドックと名乗った。
そんな時、マンモス大学の城南大の経理部が襲われ職員の給料など3,800万円が強奪された。ドックたちは時田が殺された現場近くの電柱にあった赤い色のこすり傷の持ち主を徹底的に洗うと、城南大の医学部学生の平田伸也の名前が浮かんだ。ドックとスニーカーは早速登校してきた平田に声を掛けるとドックを突き飛ばして車で逃走。ドック達も追いかけるが、追跡に失敗し平田に怪我を追わせてしまう。
沈んだ顔でボスと山さんが居る一係に入ってくるドック。警察手帳と手錠、そしてバックホルスターとM59を取り出し、そっとボスの机に置く。
ボス「何のマネだ」ドック「責任を取らせてもらいます。僕が辞めれば万事丸く収まると思います。辞職願い…ありません。どうせ、懲戒免職でしょうから」
ボス「ちょっと待て」と一係から去ろうとするドックを呼び止めるボス。静かにドックに近づき「西條」と声を掛け、ドックが振り向いた瞬間。ボスの右ストレートが炸裂!そのまま吹っ飛ぶドック。
ドック「何するんすかっ!」
ボス「やかましい!責任とって辞めるだと、甘ったれるな!貴様はオレの部下だ、カッコつける暇があったら、さっさと仕事に戻れ!」
山さんが静かにボスの机に近づき…
ドックがボスの机の上に置いた、警察手帳と手錠、そしてM59を…
そっとドックに手渡す山さん… それを受け取ったドックは一係を出て行く…
七曲署から飛び出すドックだが…
ボスに殴られた痛みと言葉を噛みしめながら、自分の責任の取り方に気づくドック
ドックはボスの居る一係に向かって、深々と頭を下げる。
ドックを信じているボスは無線で「オレだ!平田の身辺を徹底的に洗ってくれ!」と…。必死で捜査する一係のメンバーたち
今の時代なら、パワハラかそれ以上の何かで訴えられそうな場面だか、こうやってチームの強い絆をつくっていくんだなぁとつくづく思う、私の好きなシーンのひとつです。
あのシーンをもう一度!小道具で再現!という事でオシャレで効率的なドック刑事のキャラクターをブランディングさせた小道具のひとつ、バックサイドホルスター(ドックホルスター)と黒とシルバーのツートンカラーが素敵なS&W M59、そして昭和スタイルの警察手帳とピカピカシルバーの手錠。バックホルスターはシリーズ内で何度もモデルチェンジしているが、これは初期タイプ。特徴として銃を固定するストラップは別パーツとなっていて、ステッチもまたオシャレである。当時、小学生だった私はドック刑事が着ていた黄色いシャツに白いパンツ、そして紺色のジャンパーを着て、腰にはもちろんドックホルスターにM59を身に付けて富士の町を走り回っていたことを昨日のことの様に思い出す… そして、中学三年生に宇部に転校して来たときには自ら「ドック」と呼んでくれと言っていた私… シナリオまで書いた太陽にほえろを最後まで撮影しておけば良かったと未だに後悔している。